営業は数字を上げることが仕事なんだけど、実はその手前が大事という話(1)

登山
プロローグ

これは実は会社によって千差万別とは思うのですが・・・

多くの会社では営業の仕事は数字を上げることとなっていると思います。

営業担当者は1年365日常に予算の数字が頭にあって新年度が始まると今期は予算を達成できるかどうかが関心事。
ボーナスの査定もそれで決まるし昇給や昇進にも大いに関係するから当然ですね。

もしあなたがそのような会社に勤めているとして、でもそれが一番大事なことなのかどうか・・・

今回はそんな話題です。

この数字は必達ですか?と聞かれました

将来の事業の姿を構想する

夢

この事業を将来どう持っていきたいとかもっと言えば会社事態をどのような方向に成長させていくかを考える時に、現在の足元の売上げや利益をベースにした積み上げ思考では結局5%アップみたいな話で終わってしまいがちです。

だからときには目の前の数字を脇に置いてやりたいことを考える、こんなことができたら面白いと夢を語ることも必要です。

僕らも今そんなディスカッションをしきりにやっています。

でもいくら夢を語るといってもふわふわした話だけしていても仕方がありません。
当然そこは「こんなことができて売上げが、利益がこうなったらいい」という話がついてきます。

それはチームで物事を考えるときにチームメンバーの理解を共有しておく必要があるからです。

この事業を始めて1億円稼ぐという人と百万円稼ぐという人がお互い同じことを考えているはずとの前提で議論をしても、どこかで噛み合わないことが出てくるものです。

今回の僕らも将来こんな事業に育てたいとの議論を重ねながら、そうやって3年後、5年後にはこのくらい稼いでいたいよねとまとめていきました。

必達目標とは何を意味するのか?

そして次の段階として現場でさらに議論を深めていこう、もっとアイデアを盛り込んでもらおうとの意図を持ってその事業部門の社員全員に内容を説明したときに質問の手があがりました。
「計画にある3年後と5年後の数字は必達目標ですか?」

これ、実を言うと返答に窮する質問です。

すでに述べたように必達目標との意図で数字を示しているわけではありません。予算ではありませんから。

一方でこのくらい大きく成長していきたいよね、との思いは本気です。

現状ほとんど利益の上がっていない事業部門は、このままではいつか撤退しなければいけなくなります。
そうならないためには今までの延長で一生懸命仕事していてもダメ。思い切ったことを考えなければいけません。

その意味で必達といえば必達です。
でも必達といってしまうとたちまち目標は下がるもの。冒頭述べたように5%アップに落ち着きます。

そうなると今の延長線上のことを「頑張る」しか策が出てこなくなります。これではみんなで議論する意味がありません。

「答えに窮した」のはこういう理由からでした。

気持ちはわかるのです。
これまで常に予算必達と言われ、未達に終わるとボーナスも下がる、予算超過の実績をあげればボーナスが上がる、その世界で長く仕事をしていれば誰もが数字に対する強烈は責任感を持つようになります。

その責任感は誰が見たって「是」です。見上げたものと思います。でもこれまでの延長戦よりもずっと大きく事業を伸ばしていきたいときにはそれだけでは足りないのです。

「やりたいこと」と「やらねばならない数字」をどう共存させるのか

ではどう考えたらよいのかが今回のテーマです。

僕自身の経験から3つのパターンを説明したいと思います。

1.メンバーの総入れ替え

まずひとつ目はメンバーを総入れ替えすることです。

人間、ベテランになればなるほど「こうすればこうなる」と予測がつくものです。こんな大きな数字はどだい無理ということもわかります。

経験値の浅いメンバーだとよくわからないから「こういう方針でこれこれをやっていくぞ」と決めたらその線で進んでいく。
これは割合とやりやすいものです。

ただそもそも「総入れ替え」ってどうなの?それこそ思い切り過ぎじゃないの?と言われそうです。

僕のときも「総入れ替え」を初めから目論んで進めていたら反対意見も多く出たことでしょう。
たまたま1〜2年の間に会社の別の事情で「総入れ替え」になったときに、これはチャンスとばかりに踏み切ったというのが正直なところです。

ですからよほどのところまで追い込まれないと適切な作戦とはいえませんね。

2.誰にも知られないように密かに進める

これは自分が責任者というより一担当者のときに使えるやり方です。

上司に対しては5%アップの予算を示して了解をもらいながら、それとは別に思い切った新しいことに密かに挑戦するやり方。

よく企業の研究者が何年もアングラで研究を進めて画期的な新製品開発に結びつけたというような話がありますがそれと似ていますね。

上司との間で約束した5%アップのところをちゃんとやってさえいれば、その外側で思い切った新たなアイデアを試すことはそれがよほど会社に損害を与えるものでない限りは背信行為でも何でもありません。

一担当者であればかなり有効なやり方ではあります。
ただひとりで突き進むよりチームで取り組んだほうが間違いなくスピードは上がるのでこれがベストの方策とはいえません。
上司に説明しても理解を得られないとわかっているケースに限られますね。

幸い僕のケースでは進めている途中でマネージャーに昇進したので、ある時点から組織の方針として取り組めるようになったので助かりました。

3.メンバーが度肝を抜くくらいの高い目標数値を設定する
高い目標

これは逆に自分がマネージャーの場合の進め方です。

「こういう思い切ったことをやりたい。うまくいけばこんなに稼げるぞ」ということをメンバーに示すときに誰もがそれは無理だろ、と思うくらいの高いハードルを設定するやりかたです。
ある意味劇薬といってもいいかも知れません。

「誰もがそれは無理だろ」とは、そんなことはできっこないとみんなが思っているということです。

ただしミソは「無理に決まっていると思いながら、万が一実現できたらこんなに素晴らしいことはない」という点もみんなの頭に共通に存在すること。

みんながそもそもやりたくないことだったらこの手は使えません。

もしその「本当はできたらいいと思っている」ことが共通認識であれば、「それができたらこの数字になるよね」は納得されるものです。
できたらその数字になるのはわかるけど、そもそもできないでしょ!という感覚をメンバー全員が持っている状態です。

この場合には「できっこないけれどもしできたらこの数字は楽に達成するよね」というむちゃくちゃ高い数字を必達目標にします。

当然大ブーイングが起きますね。だからこちらがそのブーイングを押さえるだけのポジションにいなければできません。しかしその権限さえあれば最短距離で実現に進んでいくことができるやりかたです。

高いハードルを必達目標にするとちょっとやそっと頑張ったところで達成できないのは誰が見てもわかります。

どうしたら達成できるかといえば「できっこないこと」をやるしかないわけです。
そこまで言うならやってやる、でも失敗してもオレは知らねえぞ、との気持ちかも知れませんがやるしかない。

もちろん取り組み始めてからは細かくフォローするなどやることはとても多い。大変な道のりですがスピード感は一番です。

オープンに実例を開示できないのですが伝わっているでしょうか。

実際のケースではその後1〜2年はむしろ業績を落とすことになりましたが、3年目からは従前の何倍もの数字を上げられるようになりました。

いや、もっと大事なことはメンバーがとても楽しそうに働くようになったことです。
それはそうです。心の底にはあった、でも無理だと思って誰も言い出さなかった、そんなことが実現できたのですから。

再現性のある方法とは仕組み化すること

仕組み化

これまでの経験から3つの方法を紹介しました。

それぞれ結果には繋がりましたが、この3例には共通点があります。それは何でしょうか。

それは再現性がない点です。

たまたまメンバーが総入れ替えになったタイミングだった、たまたま一担当のときにアイデアを思いついた、たまたまメンバーの心の奥底にあるやりたいことが共通していた、反対意見を押さえる権限を持っていた、いずれも「たまたま」です。

これでは再現性がありません。

再現性のある方策を見出さないことには人が変われば、タイミングが変わればそのやりかたでは成功しないことになります。

そこで現在再現性のある「第4の進めかた」に取り組んでいるところです。

その具体的方法を紹介する前に「その数字は必達ですか?」の質問の意味を掘り下げるところからスタートしたいと思います。

次回に続きます。

登山

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この記事を書いた人

山田文彦
 株式会社クレハトレーディング代表取締役社長
 社員の力をどうやって高めていくか? これが毎日考えているテーマ
 日本一の会社にしたいと真面目に考えています

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