「やさしいコミュニケーション」と聞いて「やさしい」にどんな漢字を当てはめるでしょうか。
「優しい」「易しい」のどちらを思い浮かべるでしょうか。
「コミュニケーションの学校」が始まりました
Youtube講演家・鴨頭嘉人さんの「コミュニケーションの学校」が始まりました。
僕が鴨頭さんを知ったのは何がきっかけだったか。今となっては思い出せませんが、毎朝のvoicyを聞いているし、毎日LINEも届いています。TwitterとTikTokもフォローしています。
そこに「コミュニケーションの学校」を受講したおかげでFacebookに毎日ガンガン投稿が来るようになったので僕のiPhoneは鴨頭さんに完全に乗っ取られた状態になっています(笑)
今回の「コミュニケーションの学校」、実は会社で他の役員や社員、総勢10人くらいで受講しています。社員と言っても部長クラスです。鴨頭さんは最初で最後の講座、2回目はないとおっしゃっているので本当なら社員全員を受講させたいところですが、さすがに費用的に厳しいので部長までにしました。
この9月から始まり年明けの1月まで全部で5回、それぞれ11時から18時まで開かれますが、受講形式は、
- 池袋の会場でのリアル受講
- zoomによるオンライン受講
- 動画アーカイブ受講
から選択するようになっています。
リアル受講が鴨頭さんの熱量を直接感じられるのでベストであることは言うまでもありませんが、今のコロナ禍に置かれた状況では社員が自ら希望して行くのならともかく、会社が10人の社員にリアル会場でのセミナー受講を命じることはできません。
また❸動画アーカイブ受講は自分の都合に合わせて受けることができる点はよいものの、3時間のセミナー1回ならともかく、7時間X5回の長丁場となるとアーカイブがどんどん溜まってしまって結局受講し切れないなどという危険性もあります。
そこでオンラインでリアルタイムによる受講をベースにしながらどうしても仕事の都合がつかない場合にはアーカイブ受講することもできる❷を選択することにしました。実際月曜日の初回は会社の役員会と重なって僕もリアルタイムで参加できなかったくらいですし。
とはいえ第1回の月曜日はFacebook上で生配信もされていたので会社の昼休みに覗いてみました。
予想通り破壊的な熱量で講演をされていて11時から始まっているはずなのに12時を過ぎてもまだオリエンテーションが終わっていない(笑)
それでも「やさしいコミュニケーション」についての話をされているところでほんの30分ほど聞いただけですが大変勉強になりました。
「やさしいコミュニケーション」とは例えば主語・述語や5W1Hなど必要な情報をきちんと盛り込んで話をすること。相手の頭に『???』を抱かせてストレスを感じさせることのない話しかたということです。
これ、実は僕自身も日頃から感じていること、すなわち会社などで報告や相談、連絡を聞くときに「もっとちゃんと話してくれよ」と思うこともよくあります。逆に自分ではある程度できていると思っていました。
ところが・・・
僕はできているつもりでしたが・・・
以下は今週僕が社内のある人に送ったメールです。
了解しました。ではこうしましょう。
(1)案 来月の定時取締役会で、緊急案件だったため取締役全員には個別に説明し了解を得た上で実施したことを事後承認の形で決議する。
(2)案 今日、書面の臨時取締役会を開催したことにして、提案文書を作成した上で議事録に残す。
実態に合わせて(1)案がよいとは思いますが。
(2)にすると臨時取締役会の招集通知文書も作成する必要があるので事務上も簡便だと思います。
これに対して以下の返信が来ました。
では、(2)で行きたいと思います。
正直、僕はこの返信が来たときに驚きました。そして自分の出したメールを読み返して「ああ、そうか。これはやさしくないコミュニケーションをしちゃったな」と反省しました。
僕の最初のメールの趣旨はこういうことです。
- 緊急の案件が発生したがその実行には取締役会決議を要する。
- しかし今月の定時取締役会は終わっていて次回は来月半ばとなり、そこまで実行を待っていられない。
- そこで(1)案は、まず取締役全員に本日メールで説明し了解をもらっておく。その後に実行する。来月の取締役会において事後報告の形で決議してもらう。
- (2)案は、今日、書面開催による臨時取締役会を開催して書面を回議して全員の賛成をもらう。その後に実行する。ただし取締役会の開催は会社法上、事前に開催通知を全員に発信する必要があるので作らなければならない書類が増える。
- だから(1)が簡便だろうな。
という論理構成のメールを送ったつもりでした。
でもそれを受け取った人は僕が(2)を勧めていると受け取ったわけです。返信文書は僕の意見に反対して(2)を選択しますとのニュアンスはありません。もしそうなら理由を書くはずですから。
(もっとも鴨頭さんが見たらこの返信メールもやさしくないと言われそうですが)
キーポイントは、
「実態に合わせて(1)案がよいとは思いますが。
(2)にすると臨時取締役会の招集通知文書も作成する必要があるので事務上も簡便だと思います。」
の文章にあります。
まず、「実態に合わせて(1)案がよいとは思いますが。」
これ「。」で終わっているので文章は完結しているはずですが、そう見えません。「よいとは思いますが」の中ほどの「は」と最後の「が」の効果で、この後に反対の意味の文節がやってくる期待を読み手に与えます。
その期待があるので、次の文章は、
招集通知文書を作成する必要がある→だから→(2)は事務上も簡便
と読めてしまうわけです。
ここで「(2)は事務上も簡便」と書きましたが、実際の文章には「事務上も簡便」の主語が省略されています。だから読み手は主語を自分で考えて補うしかなく、この場合は「(2)は」という主語を頭の中に描いたわけです。
その結果、「文書を作成する必要があるから簡便」とは意味的には論理の通っていない「意味不明文」ですが、読み手に誤解を与えてしまいました。
だからひとつ目の文章によけいな「は」「が」を入れず、ふたつ目の文章に「(1)のほうが」と主語をちゃんと入れる、すなわち、
「実態に合わせて(1)案がよいと思います。
(2)は臨時取締役会の招集通知文書の作成が必要となるので(1)のほうが事務上も簡便です。」
とすればよかったのです。
なぜそうしないで変な文章を作ってしまったのか。
振り返って考えると、話し言葉でメールを書いていたことがわかります。
つまり、
「実態に合わせて(1)案がいいと思うけどね。だって(2)にすると臨時取締役会の招集通知文書も作らなければいけないよ、だから事務上も簡便でしょ」
をそのまま文章にしてしまったわけですね。
メール処理は往々にして時間のない中でササっとタイプして送信ボタンをクリック、となりがちです。だからこのようなこと、すなわち「話し言葉そのままのメール文章化」が起こるのですね。
一度でも読み返せばまずい文章だとわかるはずなのですけれど・・・
書き言葉でもこういうことが起きるのですから話し言葉ではよほど注意する必要がありますね。
むしろ話し言葉のときこそちゃんとした文章を組み立てることに神経を使わなければならないのです。
相手を悩ませない。よけいな「???」を抱かせない言葉、文章でコミュニケーションすることが大切で、自分自身が意外にできていないこともわかりました。
というわけで「やさしい」コミュニケーションは「優しい」が正解ですね。
「コミュニケーションの学校」の第1回目の動画を早く通しで見たい。自分のコミュニケーションのまずさにもっと気づきたい!
7時間もあるので週末に見るしかありませんが、今からうずうずしています。
早く週末になーれ!
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