ピラミッド型とフラット型
企業における組織形態はその構成員たる人材と同様に経営戦略の基盤をなすところですから、組織の形はそれこそ企業の数だけあります。
多くの企業では、段階的にラインマネージャーを置いて責任を分担するピラミッド型と言われる組織形態をとっていますが、最近ではマネジメント層は1人であとは一列に人を置くフラット型または文鎮型と言われる組織形態をとる企業も増えつつあるようです。
ピラミッド型でもピラミッドになっていないことも
今回、話題にしたいのは、このピラミッド型組織の変則バージョン、具体的には一つの事業部に一つの部しか置かない、あるいは一つの部に一つの課しか置かないようなケースです。
本部、事業部、部、課などの組織単位は、企業によって部員の数、売上金額、利益金額、得意先数、などが概ね揃っているものです。もちろん事業というものは厳密に区分けできるものではありませんからバラつきはあるものですが、さりとて、こっちの課長の仕事は向こうの部長の仕事と同等レベルなどということは通常ありません。
そうすると事業内容として他の部門と同じ組織のくくりに入れるわけにはいかないけれども、業務レベルとしては「部」のステイタスだから、一部一課としておこうというようなことが起きます。
対外的な場面でも、たとえばお客さんとの交渉や商談で、ここは課長の仕事、これは部長の仕事と言うような区分けがあります。部を2つの課に分けられないから課を置くのをやめようとなってしまうと、本来課長が出ていく仕事に部長が出るようになる。これはまずいと言うようなことがありますね。
ですから一部一課の組織はその必要性があるわけで、即ダメというわけではありませんが、組織運営上は、できれば一部一課よりは二課、一事業部一部よりは一事業部二部のほうが何かとうまく回りやすいと思います。
ラインマネージャーも相談相手がいるとスムーズに回っていく
今、僕の会社でも1事業部1部(1−1)の部門と1事業部2部(1−2)またはそれ以上の部門とあります。2つの部に別れている事業部では当然部長も2人いるわけですが、見ていると何かにつけて2人の部長同士で相談して物事を進めているようです。2人の年齢が近いということもありますけれど、見ていてうまく組織が回っているなと感じます。
これが1−1になると、相談相手は通常上司だけになります。もちろん部下に相談するケースもないとは言いませんが、たとえば人事上のことなどセンシティブな問題であれば部下に相談と言うわけにはいきません。
でも隣にもう1人部長がいれば、そこに相談できるわけです。上司に行くのはその後。その方が上司・部下の1対1で話すよりもいいアイデアが出ることも多いようです。同じ立場で意見を出すせいでしょうか。
僕自身を振り返っても、その昔、課長時代に隣の課長が同期入社の人間だったこともあって、何かにつけて相談していましたね。ことによってはひとりで部長に対すると撃沈するから2人で意見しに行こうと言うような場面もありました。
上司にとっても部下と1対1ではどうしてもバッチの数で物事が決まりがちなところ、しっかり議論をしてよい結論を導き出す観点からは1対2で話した方げベターでしょう。
そんなことから、もしできればの話ですが、ひとつの組織には同じ立場のマネージャーが2人以上いたほうが組織運営上はうまく回ることが多いと思っています。
コメント